今回は、福島県楢葉町にあるミュージアム「大地とまちのタイムライン」を訪れてきました。
このミュージアムは、楢葉町と東京大学総合研究博物館が連携して作った施設で、地球の誕生から現代までの資料を展示しています。
このミュージアムの魅力や見どころを紹介していきます。

ミュージアムの概要
「大地とまちのタイムライン」は、2023年4月22日に開館したミュージアムです。
楢葉町は、2011年の原発事故により全町民が避難を強いられましたが、2015年9月に避難区域が解除され、2020年3月には常磐線が全線開通したこともあり、かつての町民が徐々に戻りつつあります。
町内には弥生時代中期の遺跡である福島県指定文化財の天神原遺跡の出土品をはじめ、貴重な文化財が町役場に隣接するコミュニティセンター内の歴史資料館に展示されていましたが、震災にて被災し、長らく休館を余儀なくされました。
東京大学アイソトープ総合センターは、2018年度より楢葉町において「復興知」事業(※)による教育研究活動を展開しており、町内にサテライトも設置してきました。
2019年度からは東京大学総合研究博物館とも連携し、人材育成の基盤となる拠点として連携ミュージアムの整備を楢葉町と協力して進めてまいりました。
2020年2月に楢葉町と東京大学総合研究博物館との間で 「収蔵施設と展示事業(仮称「モバイルミュージアム in NARAHA」)についての協定」が締結され、2020年度受託研究「楢葉町におけるモバイルミュージアムの展開可能性と教育効果に関する実証研究」として、施設構成・展示ストーリーの計画・展示デザインの計画等の研究を行うとともに、資料保管場所が逼迫していた総合研究博物館の学術標本の一部を楢葉町に移設保管し、楢葉町歴史資料館を改装して東京大学と楢葉町の双方の資料を合同展示するプロジェクトが発足いたしました。
(※)「復興知」事業:大学等の「復興知」を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業(2018~2020年度)、大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業(2021~2025年度)
ミュージアムの見どころ
「大地とまちのタイムライン」では、楢葉町と東京大学総合研究博物館双方が所蔵する豊富な資料の中から、「危機~再生~未来創造」をキーワードに、地球の誕生から現代に至る資料を展示しています。
幾多の危機をむかえながらも、地球そして人類がそれを乗り越えてきたことを知ることで、これからの楢葉町の未来を創造するための糧となる施設を目指しています。




ミュージアムの展示は、以下のように分かれています。
- 導入展示:楢葉町で採掘された石炭や、プレートテクトニクスの父と呼ばれる都城秋穂博士の紹介など。




- 東京大学標本トンネル:東京大学総合研究博物館が収蔵する約300点の鉱物や化石などの標本を展示するトンネル状の空間。




- タイムライン展示:地球の歴史を時系列に沿って展示するコーナー。地球誕生から始まり、古生代・中生代・新生代・現代という4つの時代に分けて、それぞれの特徴や出来事を紹介している。




- まちのタイムライン:楢葉町の歴史を時系列に沿って展示するコーナー。弥生時代から現代まで、町内で見つかった遺跡や出土品、文化財などを紹介している。




- まちとエネルギー:楢葉町がかつて炭鉱町であったことや、原発事故後のエネルギー政策などについて展示するコーナー。




- 楢葉町プロジェクションシアター:楢葉町の名所や史跡などを紹介するプロジェクションマッピング。大画面で迫力ある映像が流れる。




- タイムポイント:ゼロ:震災当時の楢葉町の様子や、避難生活や復興支援などに関わった人々の声などを展示するコーナー。
- 「わたしたち」からのメッセージ:楢葉町に住む人々や東京大学関係者などが、これからの楢葉町や地球に対して思うことや願うことなどを伝えるコーナー。




- 特別展示:定期的にテーマを変えて展示するコーナー。第1回は「宇宙と地球の謎を解き明かす小惑星探査」で、東京大学が参加している小惑星探査機「はやぶさ2」や「MMX」の紹介や、小惑星から持ち帰られたサンプルの展示などが行われています。




ミュージアムの展示は、すべて日本語と英語で説明されており、多言語対応のタブレットも貸し出されています。
また、展示に関連するクイズやゲームなども用意されており、楽しみながら学べる工夫がされています。
ミュージアムの感想
私は、「大地とまちのタイムライン」を見学して、とても感動しました。
地球の歴史や楢葉町の歴史を一目で見渡せるタイムライン展示は、まさに時間旅行のような体験でした。
特に、震災後の楢葉町の様子や復興に向けた人々の声を聞くことができるタイムポイント:ゼロや、「わたしたち」からのメッセージは、胸に迫るものがありました。
楢葉町の人々は、過去に縛られず、未来に向かって前進しようとしています。その姿勢は、私たちにも大きな勇気と希望を与えてくれます。
また、東京大学と楢葉町が連携して作ったミュージアムということで、最新の科学技術や研究成果も紹介されていました。
特別展示では、小惑星探査機「はやぶさ2」や「MMX」について詳しく知ることができました。
宇宙から持ち帰られた小惑星サンプルを目の前で見ることができたのは、感動的でした。
小惑星から得られる情報は、地球や生命の起源に関する重要な手がかりになると言われています。
このミュージアムでは、科学的な知識だけでなく、科学的な探究心や好奇心も刺激されます。
ミュージアムの訪問方法
「大地とまちのタイムライン」は、楢葉町役場に隣接するコミュニティセンター内にあります。
開館時間は9時から17時までで、休館日は月曜日(祝日の場合は翌日)です。
入館料は無料です。
楢葉町へのアクセス方法は以下の通りです。
- 電車:JR常磐線楢葉駅下車、徒歩約15分
- 車:常磐自動車道富岡ICから国道6号経由で約30分
ミュージアムの詳細な情報は、[公式サイト]をご覧ください。
まとめ
今回は、「大地とまちのタイムライン」を訪れてきました。
このミュージアムは、地球の歴史や楢葉町の歴史を知ることができるだけでなく、震災後の楢葉町の現状や未来についても考えることができる施設です。
東京大学と楢葉町が連携して作ったミュージアムということで、最新の科学技術や研究成果も紹介されています。
このミュージアムは、地域の復興や発展に貢献するだけでなく、地球や人類の未来に関心を持つ人々にとっても価値あるミュージアムだと思います。
皆さんもぜひ、「大地とまちのタイムライン」を訪れてみてください。楢葉町の魅力や歴史、そして未来に触れることができると思います。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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