【ふくしま紹介】書籍「死の淵を見た男(吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日)」~福島第一原発事故の経験者が書籍を読んだ感想~

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ふくしま復興し太郎
ふくしま復興し太郎

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~簡単なプロフィール~

2011.3.11 20歳の時に福島第一原子力発電所で被災

 ⇒体験談はこちら【第1話】東日本大震災を福島第一原子力発電所で経験~災害のはじまり~ – ふくしま復興し隊 (fukushima-fukkoushitarou.com)

・原発事故の体験と教訓,廃炉作業の今を伝えていくことがライフワーク

・多くの人に福島の今と魅力を伝え,興味を持ってもらい復興に貢献するため活動中

今回は福島第一原発事故を経験した私が書籍「死の淵を見た男(吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日)」を読んだ感想について書いていきます。

出典:Amazonより



結論

この書籍は映画「fukushima50」を見て「もっと原発事故について詳しく知りたい!」「当時の人たちがどんなことを考えて思っていたのか知りたい」という人にお勧めします。

この書籍には事実のみが正確に書かれています。当時現場対応を行った方のフルネームから現場設備の詳細まで事細かく書かれています。

正直現場の状況や過酷さというのは言葉だけで伝えるのは難しいと思います。また,本書は事実のみ書かれているため,原発設備に関する専門用語が使われており,原発の基礎知識がないと理解するのは難しいと思いました。

福島第一原発事故について「ニュースで聞いた」という人や「事故について知りたいけど原発については知らない」という方はまず映画「fukushima50」の視聴をおすすめします。

詳しくはブログ「【ふくしま紹介】映画「fukushima50」~福島第一原発事故の経験者が映画を見た感想~」をご覧ください。

この書籍では原発事故に関わった方の人間模様についても書かれています。

吉田所長をはじめ,死を覚悟し現場に残った方々の考えや思い,大熊町長や避難された方々の苦悩など書かれており,事故の重大さと代償について考えさせられます。

いろいろな意味で重い書籍となっていますので,是非一度読んで当たり前の明日が来る有り難さについて考えてみてはいかがでしょうか。

あらすじ

〜内容紹介〜

あの時、何が起き、何を思い、どう闘ったのか。原発事故の真相が明らかに!

2011年3月、日本は「死の淵」に立った。福島県浜通りを襲った大津波は、福島第一原発の原子炉を暴走させた。日本が「三分割」されるという中で、使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちがいた。

〜内容(「BOOK」データベースより)〜

2011年3月、日本は「死の淵」に立った。福島県浜通りを襲った大津波は、福島第一原発の原子炉を暴走させた。全電源喪失、注水不能、放射線量増加…このままでは故郷・福島が壊滅し、日本が「三分割」されるという中で、使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちがいた。あの時、何が起き、何を思い、人々はどう闘ったのか。ヴェールに包まれた未曾有の大事故を当事者たちの実名で綴る。

Amazonより



感想

私の感想は「吉田所長初め現場に残り戦い続けた方達への感謝」,「事故を起こしてしまったことに対する反省と謝罪」そして「ふくしまの復興とさらなる発展への決意」です。

私はこの本を読むとその時の状況やその方の顔が鮮明に思い浮かべることができます。

出典:東京電力ホールディングスHPより

あの状況での作業の過酷さや現場に行くことの恐怖,劣悪な生活環境による疲弊。知ってはいましたが,やはり当事者の考えや気持ちはすべて理解することはできないのだと思いました。

特にベント操作では極度の緊張状態にある中で当直員がそれぞれどんな思いで作業したのかを少しではありますが分かることができました。

出典:東京電力ホールディングスHPより

特に印象に残ったのは吉田所長が想定した最悪のシナリオ「チェルノブイリ×10」です。

既に現場が壊滅的な状況で人がいることすらできないのに絶対に逃げなかった吉田所長。「チェルノブイリ×10」という最悪のシナリオによる日本3分割(北海道,西日本,汚染によって住めなくなった地域)をまさに命がけで防いでくれたのだと改めて感じました。

また,それと同時に最悪のシナリオは防いだのかもしれないがそれでもこの事故で失ったものはあまりにも大きいということを思い知らされました。

出典:大熊町HPより

私はこの経験を忘れることはありません。できるはずもありません。

残されたのもの使命として,吉田所長初め現場事故と戦い残してくれたものをしっかり後生に伝えていきます。

事故の発生から廃炉完了までを私の人生を使って全て記録し伝えていきます。

この本で改めてそれが私の人生の使命だと確信させられました。

購入方法

日本に住んでいる者として原発事故について知っておくべきだと思います。ブログを読んで読んでみたいと思って頂けた方は是非購入してみてください。





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