【廃炉作業の今】福島第一原子力発電所廃炉作業の今を紹介~1~6号機の現状(2021年3月時点)~

廃炉の軌跡
ふくしま復興し太郎
ふくしま復興し太郎

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~簡単なプロフィール~

2011.3.11 20歳の時に福島第一原子力発電所で被災

 ⇒体験談はこちら【第1話】東日本大震災を福島第一原子力発電所で経験~災害のはじまり~ – ふくしま復興し隊 (fukushima-fukkoushitarou.com)

・原発事故の体験と教訓,廃炉作業の今を伝えていくことがライフワーク

・多くの人に福島の今と魅力を伝え,興味を持ってもらい復興に貢献するため活動中

 今回は廃炉作業『1~6号機の現状(2021年3月時点)』について紹介します。

なお,本記事は「福島第一原子力発電所廃炉作業取組みに関する報告2021.3.9(出典:東京電力ホールディングス)」より引用しており,私の実体験を元に分かりやすく伝えることを目的としています。

1.福島第一原子力発電所の全体像

福島第一原子力発電所の全体像は↓の様になっており,1~6号機まであります。

燃料溶融(以降,メルトダウン)に至ったのは1~3号機です。4号機は水素爆発を起こしたものの,炉内に燃料がなかったためメルトダウンには至っていません。

5・6号機については事故当時運転停止中であり,津波が襲来した後も非常用ディーゼル機や,非常用バッテリー,電源車が稼働できる状況にあり電源を確保できたことから大きな損傷には至りませんでした。

『福島第一原子力発電所全体像』出典:東京電力ホールディングス

2.1号機の現状

地震発生時は運転中で炉内と燃料プールに燃料がある状態でした。

津波によりすべての電源を失ったことにより原子炉を「冷やす」ことがでず,水素爆発により放射性物質を「閉じ込める」機能も喪失しました。

『1号機原子炉建屋』出典:東京電力ホールディングス

現在使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向けて,原子炉建屋上部のがれき撤去作業を進めています。

また,燃料デブリ取り出しに向けて,格納容器内部調査を進めています。

出典:東京電力ホールディングス

3.2号機の現状

地震発生時は運転中で炉内と燃料プールに燃料がある状態でした。

その後,津波により電源を失い原子炉を「冷やす」ことができなくなり,水素が発生しました。

隣接する1号機の水素爆発の影響により原子炉建屋の壁の一部が破損したため,水素爆発まで至りませんでした。

『2号機原子炉建屋』出典:東京電力ホールディングス

現在使用済み燃料取り出しに向けて,原子炉建屋南側に「燃料取り出し用構台」の建設を行っています。

また,燃料デブリ取り出し初号機として,取り出し開始に向けて準備を進めています。

燃料デブリ取り出しを行う遠隔ロボットの開発に平行してオペレータの教育も行われています。

出典:東京電力ホールディングス

4.3号機の現状

地震発生時は運転中で炉内と燃料プールに燃料がある状態でした。

津波によりすべての電源を失ったことにより原子炉を「冷やす」ことがでず,水素爆発により放射性物質を「閉じ込める」機能も喪失しました。

『3号機原子炉建屋』出典:東京電力ホールディングス

2019年4月から使用済み燃料の取り出しを開始し,2021年2月にすべての燃料を建屋外に取り出し完了しています。

また,燃料デブリ取り出しに向けて,格納容器内部調査を進めています。

出典:東京電力ホールディングス

5. 4号機の現状

地震発生時は 定期検査のため運転停止中でした。そのため,炉内に燃料はなくすべて使用済み燃料プールに保管されていました。

3号機からダクトを通じて流れ込んだ水素の影響で建屋は爆発しました。

『4号機原子炉建屋』出典:東京電力ホールディングス

2014年12月に使用済み燃料プールからの燃料取り出しが完了し,燃料によるリスクはなくなりました。

出典:東京電力ホールディングス

6.5・6号機の現状

5・6号機については事故当時運転停止中であり,大きな損傷には至りませんでした。

津波により海回り設備や建屋の地下設備に被害は出たものの,原子炉建屋としては大きな損傷もなく,建屋内も通常プラントに近い状態が維持されています。

出典:東京電力ホールディングス
出典:東京電力ホールディングス