訪問ありがとうございます！私の簡単なプロフィールは⇩こんな感じです。
～簡単なプロフィール～
・2011.3.11 20歳の時に福島第一原子力発電所で被災
⇒体験談はこちら【私の体験談】東日本大震災と原発事故～第1話＿災害の始まり～ – ふくしま復興し隊 (fukushima-fukkoushitarou.com)
・原発事故の体験と教訓，廃炉作業の今を伝えていくことがライフワーク
・多くの人に福島の今と魅力を伝え，興味を持ってもらい復興に貢献するため活動中
第19話＿真冬の作業
これは⇩第18話からの続きです。
今回は⇩の頃に経験した話です。
冷たい風
真夏の厳しい暑さを乗り越えると，9月～12月ごろは比較的作業しやすい気候となります。
やっと作業しやすくなってきましたね
毎日秋の陽気だと作業もはかどるんだけどねぇ
これからどんどん寒くなるけど大丈夫かなぁ
暑いよりは全然いいんじゃないですかね
厚着すればいいだけですし・・・
この時は冬の厳しさをまだわかっていませんでした。
福島第一原子力発電所の立地している大熊町，双葉町は浜通りということもあり，雪は多少降りますが積ることはほとんどありません。
しかし，海に面しているため浜風がとても強く，冬になると肌に刺さるような冷たい風が吹きます。
この冷たい風が体の動きを鈍くし，廃炉作業の足かせとなります。
現場作業の際に装備する防護服は決まっており，夏でも冬でも同じになります。
基本的な装備：肌着+タイベック+靴下2足+綿手袋+ゴム手袋2重+全面マスク
夏はタイベック内に熱がこもり，サウナのように熱くてたまりませんが，冬になるとタイベックが薄いためこもった熱はすぐに外気で冷やされて寒くなります。
薄着で外に出ているのと変わらないためものすごく寒いです。
この寒さやばすぎますよ！
震えが止まりません！
この寒さはきついな
かといって防寒服は着てもすぐ汚染してしまうから着れないし・・・
なんとか動けるうちに作業終わらせるしかないか・・・
一様下着を2枚着てきましたが，まったく暖かくありませんよ！
下着が薄すぎて全然防寒できません
ゴム手袋も暖かいわけじゃないから，もう指先の感覚がなくなってきましたよ・・・
軍手すれば多少は暖かいぞ
靴下も3重にしたほうがいいな
イチエフの現場ではほとんどの場所が汚染しているため，防寒具を着用するとすぐに汚染してしまう状況でした。
特に毛がもこもこしているような防寒具はホコリなどがくっつきやすく，一度汚染すると除染することはほぼできません。
そのためみんなタイベックの中に着込むしかありません。
厚めの肌着を2重3重にすることでなんとか防寒していましたが，手と足の防寒は難しかったです。
汚染を防ぐために，ゴム手袋を2重着用する必要があるため，中に手袋をするとゴム手袋をすることができません。
無理やり手袋+ゴム手袋2重を着用しても，防寒はできますが生地が厚くなって指先がうまく使えなくなってしまいます。
靴下も一緒で，履きすぎると現場作業靴がうまく履けなかったり，歩きづらくなってしまい危険になります。
そのため，手足の防寒はほとんどできません。
冷たい雨
そんな中で最も厳しいのが雨の日です。
雨の中での作業は尋常ではないくらい体温と体力が奪われます。
雨の日の作業ほんとに寒すぎますよ・・・
ただでさえ寒いのに雨のせいでさらに寒いですし，風が吹くと寒いのを通り越して痛いですよ
軍手してると濡れて余計体温が奪われるな・・・
これは軍手しない方がましだ
タイベックも水を弾いてくれますが濡れると重くなって動きずらいですね
寒くて体が動かないのに，雨だと余計体力奪われて作業にならないですよ・・・
通常の原子力発電所であれば，建屋内には空調設備があり冬になるとボイラーにて温めます。
しかし，イチエフはボイラー設備が地震と津波で使用不能になってしまいました。
1～4号機も5・6号機もボイラーがないと建屋内の気温は外気温と変わりません。雨風が防げるだけましではありますが寒いのには変わりませんでした。
真夏の暑さも厳しいですが，冬の寒さは我慢のしようがなく作業はとても辛かったです。
そんな過酷な現場でも多くの作業員の方が毎日懸命に作業してくれました。
今のイチエフがあるのは多くの作業員の方のおかげです。
この場を借りて感謝いたします。
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この続きは⇩をご覧ください。
映画「fukushima50」
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故について映画「fukushima50」で忠実に表現されていますので，ぜひ一度ご覧ください。
⇩ブログで紹介していますのであわせてご覧ください。
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