こんにちは。今回は、Microsoft社が提供する検索エンジン「Bing」にAIが組み込まれたチャットシステム「BingAI」について、詳しくご紹介したいと思います。
BingAIは、対話形式で知りたい情報を入手できるほか、小説や画像などのクリエイティブなコンテンツを生成することもできる画期的なサービスです。
この記事では、BingAIの仕組みやできること、強みや使い方などを徹底解説します。BingAIを使って、検索の楽しみ方や学び方を広げてみましょう!
BingAIの仕組み
BingAIは、大規模言語モデル「GPT-4」と検索エンジン「Bing」の技術が融合されたツールです。
GPT-4は、OpenAI社が開発したAIチャットツール「ChatGPT」の最新バージョンにも使用されている大規模言語モデルです。大規模言語モデルとは、膨大な数のテキストデータを学習し、会話で“次に来る言葉”を予測できるシステムのことです。
Microsoft社はOpenAI社とパートナーシップ契約を結んでおり、これまでにも多額の開発資金を出資しているため、ChatGPTの技術を独占的に利用できる権利を持っています。そのため、自社の製品であるBingAIにも、「GPT-4」の技術を組み込むことが可能となっています。
さらにBingAIの特徴は、GPT-4の技術に加え、自社の検索エンジン「Bing」の検索技術も活用している点です。BingAIはGPT-4の情報にWebデータベースの最新情報を反映したうえで、ユーザーへの回答を出力できます。
BingAIができること
BingAIでは、次のようなことができます。
– 質問への回答
– 詩や物語などのクリエイティブな文書の作成
– 画像やイラストの生成
それぞれ具体的に見ていきましょう。
質問への回答
BingAIにテキストボックスから質問を投げかけると、会話形式で端的に回答を返してくれます。
例えば、「○○とは何ですか」「○○について教えてください」のように投げかけると、BingAIは日本語として整理された形で回答を提示することが可能です。
同じテーマについて対話を続けながら、深掘りの質問をしたり、具体的な事例を挙げてもらったりすることもできます。
また、BingAIは文章を翻訳・要約できるのも特徴です。これによって、ユーザー側は検索エンジンを使うよりも情報収集がスムーズになり、資料や文章の作成を効率化できます。
詩や物語などのクリエイティブな文書の作成
BingAIはユーザーの指示に沿って、小説や脚本のようなストーリーを作成することも可能です。
例えば、「○○と××の登場する小説(脚本)を書いてください」のように入力すれば、ストーリーを執筆して出力してくれます。
小説であれば地の文と会話文、脚本であれば会話文を中心に出力してくれるのも特徴です。この機能を活かして、ユーザーは創作の新しいアイデアを見つけたり、物語のたたき台として活用したりすることもできます。
画像やイラストの生成
BingAIには、OpenAI社の開発した画像生成AI「DALL-E2」が搭載されており、チャット形式でイラスト・画像を生成することも可能です。
「○○のイラスト(画像)を作成してください」のようにプロンプトを入力すれば、それに見合ったイラスト・画像を4パターン程度表示してくれます。
ユーザーは小説の挿絵や雑誌の表紙、広告デザインなどを考える際に、着想やひらめきを得るためのきっかけとして活用することもできるでしょう。
BingAIの強みと使い方
BingAIは、従来の検索エンジンやChatGPTと比べてどのような強みがあるのでしょうか。また、BingAIを使い始める前に知っておきたいポイントや使い方はどういったものがあるのでしょうか。
この章では、BingAIの強みと使い方について解説します。
BingAIの強み
BingAIの強みとしては、次の2点が挙げられます。
– ユーザーの検索意図と回答のマッチング率が高い
– 最新の情報を効率的に収集できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ユーザーの検索意図と回答のマッチング率が高い
Google検索では、検索窓にキーワードを入力して検索し、検索結果を見て、知りたい答えを得ていきます。ただし、質問に対する答えがストレートに返ってくるわけではありません。
キーワードに関連するウェブページのリンクが表示され、答えが記載されているだろうと思われるリンクをクリックし、遷移先のページを見ながら自力で答えを見つけていく過程が必要です。
一方のBingAIは、対話形式で検索が進むため、質問に対する答えが検索画面にダイレクトに表示されます。
多くのウェブページを開いて自力で答えを探し出す必要がないだけでなく、検索意図と回答とのマッチング率が高い傾向もあります。
最新の情報を効率的に収集できる
BingAIでは、質問に対する回答には参照ソースがリンクで表示されます。
同じチャット形式で回答が表示されるChatGPTでは参照ソースが表示されないため、真偽を見分けることが難しかったのですが、BingAIならワンクリックでソースの検証ができるため、効率的な情報収集が可能になりました。
また、BingAIはGPT-4の情報にWebデータベースの最新情報を反映したうえで、回答を出力するため、古い情報や間違った情報に惑わされることもありません。
BingAIは常に最新かつ正確な情報を提供してくれる信頼できるパートナーです。
BingAIを使い始める前に知っておきたい4つのポイント
BingAIを使い始める前に、知っておきたいポイントが4つあります。
– BingAIは料金無料だが、チャット回数に上限あり
– 回答内容が必ずしも正確だとは限らない
– WebブラウザはEdge以外でも利用できる
– BingAIは日本語・スマホ利用可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
BingAIは料金無料だが、チャット回数に上限あり
BingAIは現在、料金無料で利用できます。しかし、チャット回数には上限があります。
一度の会話で30回までしかチャットできません。30回を超えると、「この会話は終了しました」と表示されてしまいます。
また、一日あたりのチャット回数も制限されています。一日に何回までチャットできるかは明確に発表されていませんが、ある程度チャットを続けると、「本日の利用上限に達しました」と表示されてしまいます。
このように、BingAIは無制限に利用できるわけではありません。そのため、BingAIを使う際は、目的や質問内容を明確にしておくことが大切です。
回答内容が必ずしも正確だとは限らない
BingAIは高度なAI技術を使っていますが、それでも回答内容が必ずしも正確だとは限りません。
BingAIはユーザーの質問やプロンプトに対して、自動的に生成した文章や画像を返すだけです。そのため、事実と異なる内容や不適切な内容を出力することもあります。
例えば、「日本の首都はどこですか?」という質問に対して、「日本の首都は東京です」という正しい回答を返すこともあれば、「日本の首都は京都です」という間違った回答を返すこともあります。
また、「○○のイラスト(画像)を作成してください」というプロンプトに対して、○○とは関係ないイラスト(画像)を生成することもあります。
このように、BingAIの回答内容は必ずしも信用できるものではありません。そのため、BingAIを使う際は、常に参照ソースや他の情報源と照らし合わせて、真偽や妥当性を確認することが必要です。
WebブラウザはEdge以外でも利用できる
BingAIはMicrosoft社の検索エンジン「Bing」に組み込まれたサービスです。そのため、Microsoft社のWebブラウザ「Edge」でしか利用できないと思われがちですが、実はそうではありません。
BingAIはEdge以外のWebブラウザでも利用できます。例えば、Google社のWebブラウザ「Chrome」やApple社のWebブラウザ「Safari」でもBingAIを使うことができます。
ただし、BingAIを使うには、Bingを検索エンジンに設定する必要があります。Bingを検索エンジンに設定する方法は、Webブラウザによって異なりますが、基本的には設定画面から検索エンジンの項目を選択し、Bingを追加・選択するだけです。
【目的別】BingAIの始め方と使い方
それでは実際に、BingAIを使ってみましょう。この章では、目的別にBingAIの始め方と使い方を解説します。
– 会話や質問
– 画像生成
それぞれ具体的に見ていきましょう。
【会話や質問】BingAIの使い方
BingAIで会話や質問をする場合は、次の手順で進めます。
1. Microsoft Edgeで「Bing」を開く
2. チャットのテキストボックスに質問を入力する
3. BingAIの回答を確認する
4. 必要に応じて追加の質問やコメントを入力する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. Microsoft Edgeで「Bing」を開く
まずはMicrosoft Edgeで「Bing」を開きます。
「Bing」はMicrosoft社が提供する検索エンジンです。「Bing」のトップページでは、「チャット」という欄が表示されています。ここからBingAIと対話することができます。

2. チャットのテキストボックスに質問を入力する
次に、チャットのテキストボックスに質問を入力します。質問は日本語でOKです。例えば、「日本の首都はどこですか?」と入力してみましょう。
3. BingAIの回答を確認する
質問を入力したら、Enterキーを押して送信します。すると、BingAIが回答を返してくれます。回答には参照ソースのリンクも表示されます。
例えば、「日本の首都はどこですか?」という質問に対して、BingAIは「日本の首都は東京です」という回答と、Wikipediaのリンクを返してくれます。
4. 必要に応じて追加の質問やコメントを入力する
BingAIの回答に満足したら、会話を終了することができます。しかし、もっと詳しく知りたいことや、別のテーマについて聞きたいことがあれば、追加の質問やコメントを入力することもできます。
例えば、「東京は何人くらい住んでいますか?」という質問に対して、BingAIは「東京都の人口は約1,370万人です」という回答と、国勢調査のリンクを返してくれます。
このように、BingAIは対話形式で情報収集ができる便利なツールです。検索エンジンやChatGPTでは得られないような回答も期待できます。
【画像生成】BingAIの使い方
BingAIで画像やイラストを生成する場合は、次の手順で進めます。
1. Microsoft Edgeで「Bing」を開く
2. チャットのテキストボックスに画像生成のプロンプトを入力する
3. BingAIが生成した画像を確認する
4. 必要に応じてプロンプトを変更して再度画像生成する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. Microsoft Edgeで「Bing」を開く
まずはMicrosoft Edgeで「Bing」を開きます。「Bing」はMicrosoft社が提供する検索エンジンです。
「Bing」のトップページでは、「チャット」という欄が表示されています。ここからBingAIと対話することができます。
2. チャットのテキストボックスに画像生成のプロンプトを入力する
次に、チャットのテキストボックスに画像生成のプロンプトを入力します。
プロンプトとは、BingAIに指示や命令を与えるための文章のことです。画像生成のプロンプトは、「○○のイラスト(画像)を作成してください」という形式で入力します。
例えば、「猫のイラストを作成してください」と入力してみましょう。
3. BingAIが生成した画像を確認する
プロンプトを入力したら、Enterキーを押して送信します。すると、BingAIが画像やイラストを生成してくれます。
画像やイラストは4パターン程度表示されます。例えば、「猫のイラストを作成してください」というプロンプトに対して、BingAIは以下のようなイラストを生成します。
4. 必要に応じてプロンプトを変更して再度画像生成する
BingAIが生成した画像やイラストに満足したら、会話を終了することができます。しかし、もっと違うタイプの画像やイラストが欲しい場合や、別のテーマで画像やイラストを生成したい場合は、プロンプトを変更して再度画像生成することもできます。
例えば、「猫と犬のイラストを作成してください」というプロンプトに対して、BingAIは以下のようなイラストを生成します。
このように、BingAIはチャット形式で画像やイラストを生成できる楽しいツールです。小説の挿絵や雑誌の表紙、広告デザインなどを考える際に、着想やひらめきを得るためのきっかけとして活用することもできます。
まとめ
BingAIは、Microsoft社が提供する検索エンジン「Bing」にAIが組み込まれたチャットシステムです。対話形式で知りたい情報を入手できるほか、小説や画像などのクリエイティブなコンテンツを生成することもできます。
この記事では、BingAIの仕組みやできること、強みや使い方などを徹底解説しました。BingAIは高度なAI技術を使っていますが、それでも回答内容が必ずしも正確だとは限りません。
そのため、BingAIを使う際は、常に参照ソースや他の情報源と照らし合わせて、真偽や妥当性を確認することが必要です。
BingAIは現在無料で利用できますが、チャット回数には上限があります。そのため、BingAIを使う際は、目的や質問内容を明確にしておくことが大切です。
BingAIは検索エンジンやChatGPTでは得られないような回答やコンテンツも期待できる画期的なサービスです。
ぜひ一度試してみてください!
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