訪問ありがとうございます。ふくしま復興し太郎です。
昨今、働き方改革やDX推進が求められていますが、急に言われてもまず何から始めればいいのか悩んでしまうものだと思います。
特にDX推進については、単にデジタル技術を使えばいいというものではありません。
事業体系が変革できる体制にないと、いくらデジタル技術を使ってもそれはIT化ではありDXになりません。
効果的にDX推進を行うためにも、まずは業務カイゼンを行う必要があります。

この記事は以下のような人におすすめ!
・DX推進が求められるけど、なにからしていいのか分からない
・業務カイゼンをしたいけど、何からしていいか分からない
・いつも業務が忙しくてなんとかしたい
・業務を効率化したいけど、ムダの見つけ方が分からない
私の職場ではトヨタ式カイゼンを取り入れ、全ての業務についてカイゼンを行っています。
そこで習得した業務カイゼンの進め方や手法を図を使って分かりやすく説明します。
併せて、業務カイゼンで役立つおすすめスキルも紹介しますので、是非最後までご覧ください。
目次
カイゼンサイクル図
カイゼンは「表準」⇒「問題点・ムダの顕在化」⇒「カイゼン策検討」⇒「標準」のサイクルで行います。
「表準」と「あるべき姿」にギャップがある場合はカイゼンの余地があるということです。
ムダを見つけ出し、カイゼンをしましょう。

ステップ①_表準(おもてひょうじゅん)
手法①_業務量マップ
業務カイゼンを行う準備として、業務の見える化を行います。
業務を新しい進め方で実施・定着させ、その成果を埋もれさせない。そのために、成果をしっかりと業務量マップに反映させることが大切です。
・グループ、チームがそれぞれどんな業務を行っているのかを整理
・どの業務にどの程度の時間を掛けているのかを定量的に把握
・ボリュームゾーンからカイゼンを推進していくことで、早期に成果を生み出す

手法②_表準作成
整理した業務について、ありのままの状態を表に見えるようにします。
「時間は動作の影」であり、時間測定を行うことでどの部分に時間が掛かっているのかを定量的に把握することが重要です。
・業務を行う上での動作も出来るだけ細かく時間測定する
・ムダが潜んでいそうな工程を抽出したら、より細分化してどこに時間が掛かっているのかを抽出する
・特に「しゃがむ」「持ち替える」「振り返る」といった動作がある場合は細かく記録する(付加価値のない動作を抽出)
表準の作成には時間と手間がかかります。
「正直めんどくさい」「そんなことしている暇はない」と思う人もいると思います。
現状の業務はムダが見えずに、見つけられない状態です。
慣れるまでは余計時間が掛かりますが、まずはムダを見つけられる状況を作らなければ何もできません。
カイゼンを進めれば時間が生まれます。まずはやってみましょう。

ステップ②_問題点・ムダの顕在化
手法③_あるべき姿を考える
業務カイゼンを行う前に、その業務の「あるべき姿」を整理しましょう。
「あるべき姿」を整理することで効果的なカイゼンができます。
・あるべき姿を基に、一旦現状を否定して考える
・その業務の目的はなにか、目的を達成するためにその動作は必要か、なぜその動作をやらなければいけないのか考える
・あるべき姿を整理することで、カイゼンの視点が変わってくる
在庫管理業務を例にすると、本来は工場やお客様に商品を届けるのが目的であり、在庫管理が目的ではありません。
もし直接商品を届けられれば、倉庫も在庫管理も不要になります。
ではなぜ在庫管理が必要なのか、在庫を確保しなければいけない理由はなにか、倉庫を保有してまで大量の在庫を管理する理由はなにかという風にあるべき姿と現状のギャップを意識して考えてみましょう。

手法④_行動の付加価値を意識
業務で行う行動に対して付加価値があるのか意識して考えましょう。
付加価値のない「動き」をなくし、付加価値を生む「働き」を行う。
・付加価値のない作業は「動き」であり、付加価値のある作業は「働き」
・今の条件(環境や手順)ではやらなければいけない「動き」はムダであり、カイゼンする対象
・待ち時間など動いていない行動はムダであり直ぐに省かなければいけない
・その行動が付加価値を生んでいるか、お客様や後工程のためになっているのか考える

手法⑤_7つのムダ
業務が忙しいふりをして、仕事した気になっていませんか?
いくら忙しくても、ムダなことをしていては仕事をしていないのと一緒です。
7つのムダに該当する行動を行っていないか考えてみましょう。

手法⑥_ムダの見つけ方
3つの「みる」でムダを見つけましょう。
よく「みる」ことで、根本的な問題点が発見でき、効果的なカイゼンに繋がります。
・まずは、現地・現物をよく知るために「見る」
・作業順序、作業時間をよく「観る」ことで問題点を見つける
・はっきりとした判断基準で愚直なまでに、地道に、徹底的に、正常・異常を「看る」

ステップ③_カイゼン策検討
手法⑦_なぜなぜ真因追究
なぜ、そのムダ・不良が発生したのかを考えましょう。
なぜなぜを5回繰り返し、真の原因を追究しましょう。
・「なぜなぜ」を5回繰り返し問題の真因追究を行い、根本的な対策を検討する
・経験や想定で原因を決めつけずに、なぜなぜを5回必ず繰り返す
・「この業務の目的はなにか」「目的に合っているのか」を常に問う
ムダは、全て人間がやっていること。
だから、ムダを無くすことは簡単。
いかに早くムダに気づくかがカイゼンのカギ。

手法⑧_NHKの視点
その業務や行動が本当に必要かを考え、NHK(なくす、へらす、かえる)の視点からカイゼン案を検討しましょう。
・業務の目的は何か、目的に合っているかを考える
・まずはその業務がなくせないか、なくせない理由はなにか整理する
・なくせない場合はへらせないか、へらせない理由はなにか整理する
・へらせない場合はかえれないか、かえれない理由を整理する

手法⑨_一人作業
業務は基本的に一人で行うことを前提として考えましょう。
「みんなで確認しながらの方がいいから」とか「チームだから」というなんとなく複数人で業務をしていませんか?
複数人での業務にはムダが多くあります。まずは一人で出来るようにルールや手順の見直しを行いましょう。
・その業務が本当に複数人いなければ成立しないのか考える
・手順を見直したりツールを活用することで一人作業化できないか考える

手法⑩_平準化
業務量が月や週でバラツキがあると、そこにはムダがあります。
業務量を一定のボリュームに調整することで、ムダに人手を確保しておく必要がなくなります。
平準化は一定ペースで業務を行えるので、残業削減にも効果的です。
・業務量が年・月・週・日でどれくらいばらつきがあるのかを整理する
・なぜその時に業務を行わなければいけないのか、前倒しや先送りできないか考える

手法⑪_タクトタイム
タクトタイムは1件の業務をどれだけの時間で実施するべきなのかという時間です。
過剰な業務はその後の待ち時間などのムダを生みます。
必要なものを、必要なスピードで、必要なだけ行うことがムダを無くすことになります。
・1日あたり、必要な生産数(業務量)はいくつなのか整理する
・1日の稼働時間を整理する
・タクトタイムを算出し、ムダに業務をしないようにする
運搬作業を例にすると、一日に必要な荷物運搬は40個の場合、タクトタイムは12分/個になります。
現状より短い時間の場合、運搬方法や業務の必要性についてカイゼンする必要があります。
現状より長い時間の場合、過剰に運搬していることになり、ムダに倉庫を使ったり、運搬業務に待ち時間が発生したりします。
タクトタイムより多くても少なくてもムダが発生します。
ジャストタイムで業務を行うことがムダ削減に繋がります。

手法⑫_自工程完結
自工程完結は、自分の工程での仕事は自分で品質を保証するという考え方です。
各工程で制作し、組み合わせ後に品質検査を行う流れの場合、不良が発生すると全ての工程がやり直しとなります。
また、どの工程が不良になったのかを調べるムダが発生します。
それぞれの工程で制作したものはそれぞれ品質検査を行うことで、不良が直ぐにわかりムダな出戻りが発生しません。
・それぞれの工程での責任範囲を明確にする
・担当する責任範囲で、どのように品質保証するのかを明確化(検査方法等)する
・最後の検査を無くし、各プロセスのみで品質が保証する
各プロセスで品質保証が出来れば、完成品を検査する必要がなくなります。
品質が検査ではなくプロセスで成立する仕組みを作りましょう。

ステップ④_標準
手法⑬_標準化・教育
ステップ①~③で行ったカイゼンは標準化しましょう。
いくら業務カイゼンを実施しても、標準化と教育ができないとその場限りになってしまい、本来のカイゼン効果が発揮されません。
新しい進め方を定着させ、次のカイゼンに進める仕組みづくりを行いましょう。
・標準手順を整理し、誰でも同じことができるようにする
・標準手順で教育を行い、新しい進め方を定着させる
カイゼンに終わりはありません。
標準化したものは、次の表準になります。あるべき姿とのギャップを埋めるために次のムダを見つけてカイゼンを行いましょう。
ムダの排除・付加価値の無い作業を減らし、業務の比率を高め続けましょう。

業務カイゼンに役立つスキル5選
業務カイゼンを行う上で、表準の作成や業務量の整理といったデータを整理する必要があります。
また、業務の規模が大きければ大きいほど、整理するデータ数も膨大なものになります。
業務カイゼンを効率的に進めるためにも、デジタル技術を活用したスキル習得をおすすめします。
エクセル活用スキル
使える方も多いと思いますが、表準の作成やデータ整理には必ず必要となるスキルです。
基本的にはデータ整理、表作成、簡単な関数が使えればカイゼンを進めることができます。
マクロを活用できるスキルを持っていると、より効率的、柔軟にカイゼンを進めることができます。
エクセル初心者の方も、ある程度使える方も、今より少しスキルアップすることで活用範囲は大きく広がります。
手軽にスキルアップするためにおすすめなのがパソコンスクール「PCHack」です。
プロのITエンジニアが初心者レベルから実践レベルまで丁寧に教えてくれます。
オンラインで好きな時間にスキルアップできるので、仕事をしながらでも手軽に始められます。
⇩3万円程度と他のパソコンスクールに比べ低価格となっていますので是非ご利用ください。
データサイエンス活用スキル
ムダの見つけ方として、大量のデータ(業務や人の動きなど)を活用することで、適格かつ定量的にムダを見つけることができます。
データサイエンススキルを習得していると、統計学やプログラミングといった専門的な知識を活用してデータ分析を行うことができます。
業務カイゼンにも活用できますが、データサイエンスを活用し業務に展開すること自体がDXになるので、まさに今必要なスキルと言っていいでしょう。
おすすめはデータサイエンスが学べる日本屈指のビジネススクール「datamix」です。
ビジネスへのデータサイエンス適用に重点を置いており、DXデータ人材を目指しているスクールです。
⇩人気のデータサイエンスセミナーを無料公開していますので、まずは見てみてください。
⇩「datamix」の紹介動画もあわせてご覧ください。
AI(人工知能)活用スキル
AIはデータに基づき、自律的に判断することができるため以下の様な業務に活用することができます。
・目視で製品の良、不良を判断する業務
・決まったルールで写真やデータを分類している業務
・大量データからその後の予測を行う業務
AIプログラミングにはPythonといったプログラミング言語を活用しますが、初心者が自力で習得するには難しい分野だと思います。
ただ、スキル習得により大量データの分析が自動で行えるようになり、今まで見えなかったムダを見つけることが出来るようになります。
また、AIを活用し業務に展開すること自体がDXになるので、まさに今必要なスキルと言っていいでしょう。
おすすめはAI特化型プログラミングスクール「AIジョブカレ」です。
AIジョブカレでは初心者向けの基礎知識はもちろん、実務で使えるスキルを身に付けられます。
もちろんオンラインでの受講が可能なので、自分の好きな時間にスキルアップすることができます。
⇩無料説明会を実施していますので、少しでも迷った方はまず説明会に参加してみましょう。
⇩「AIジョブカレ」の紹介動画もあわせてご覧ください。
RPA(ロボティック プロセス オートメーション)活用スキル
RPAとは「Robotic Process Automation」の略語で、パソコンで行っている事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術のことです。
RPAは指示された作業を正確に行うことができるため以下の様な業務に活用することができます。
・業務ルールが決まっており、同じ動作を繰り返し行うもの
・データ入力やデータチェックなど単純だが正確さが必要な業務
・大量データのバッチ処理を行っているもの
RPAはパソコン上で人が日常的に行っているマウス操作やキーボード入力などの操作手順を記録し、それを高速で正確に実行することができます。
操作手順の記録は比較的容易に可能で、プログラミング言語を知らない初心者でも少し練習すると使えるようになります。
業務カイゼンにおいて最も導入しやすいデジタル技術といっていいかと思います。
⇩RPAについて詳しくはこちらをご覧ください。

ドローン技術活用スキル
ドローン技術の活用は多くの産業が注目しており、人に代わって業務を行うことが期待されています。
ドローンは以下のような業務に活用することができます。
・目視での調査や点検業務(特に高所などの危険な場所)
・建築、土木分野での測量
・災害発生時の迅速な現場確認
自動飛行や連帯飛行技術も開発されており、アイディア次第で多くの分野に活用可能です。
また、IA技術と組み合わせると自動で現場の写真を撮影し、画像診断により異常を検知するといったことも可能になります。
ただ、ドローンを業務に活用する場合は安全面や力量管理面から、ドローン操縦士の資格取得が必要となります。
資格はドローンに関する法律や操縦技術を取得できるものになります。余程、機械が苦手でなければ難しくありません。
ドローン操縦技術としては商用資格を取得することで就職や業務としての活用に生かすことができます。
商用パイロット資格取得には「デイトラ」の「ドローンコース」がおすすめです。
完全オンラインで資格取得が可能で価格も業界最安値級となっています。
無料でレッスン講座を体験できますので、まずは気軽に体験してみてください。
⇩無料レッスン講座体験はこちら
⇩「デイトラ」の「ドローンコース」の紹介動画もあわせてご覧ください。
まとめ
業務カイゼンを行うことは、業務効率化だけでなく品質・安全・生産性向上に繋がります。
品質や安全性が低下するものはカイゼンではありません。
ただ無くせばいい、ただ減らせばいいというものではなく、本質を理解しあるべき姿に近づけることが重要です。
カイゼンは「品質」「安全性」「生産性」の三方よしが原則です。
カイゼンをする前には全て向上しているか振り返ることを心掛けましょう。
業務カイゼンを行うことでDX推進もムダなく効果的に進めることができます。
DX推進の方法について⇩ブログで紹介していますのであわせてご覧ください。
コメント