ALPS処理水の海洋放出に反対する5つの理由に科学的な反論をしてみた

雑記

東京電力福島第一原子力発電所で発生した汚染水を、多核種除去設備(ALPS)などによりトリチウム以外の放射性物質を規制基準値を確実に下回るまで浄化処理した水のことをALPS処理水と呼びます。

この水は、敷地内のタンクに貯蔵されていますが、その容量に限界が近づいているため、政府は2021年4月に海洋放出という処分方法を決定しました。

政府は、海洋放出は安全で国際的にも認められた方法であり、福島の復興と廃炉に向けた重要なステップであると主張しています。

しかし、この方針に対しては、国内外で多くの人々が反対の声を上げています。彼らは、ALPS処理水に含まれるトリチウムや炭素14などの放射性物質が人や環境に与える影響を懸念しています。

また、政府や東電が市民に十分な説明をしていないと感じています。さらに、漁業や観光などへの風評被害や賠償問題も心配されています。彼らは、タンクを大型のものに換えるなどすれば今すぐ海洋放出する必要はないと主張しています。

では、具体的にどんな理由で反対するのでしょうか。ここでは、反対する人たちが主に挙げている5つの理由を紹介します。

ALPS処理水の海洋放出に反対する5つの理由

1.ALPS処理水に含まれるトリチウムは体内に取り込まれると危険である

トリチウムは自然界にも存在する水素の同位体であり、ALPS処理水ではトリチウム以外の放射性物質は規制基準値を確実に下回っています。

しかし、反対する人たちは、トリチウム自体が人体や生物に取り込まれると危険であると主張しています。トリチウムは通常の水素と同じように水分や有機物と結合しやすく、体内に入ると全身に分布し、DNAや細胞膜などを損傷する可能性があるというのです。

2.ALPS処理水に含まれる放射性物質はトリチウムだけではない。炭素14も除去されない

ALPS処理水ではトリチウム以外の放射性物質は規制基準値を確実に下回っていますが、それでも微量ながら他の放射性物質も含まれています。

特に注目されているのが炭素14です。

炭素14は自然界でも存在する炭素の同位体であり、植物や動物の生命活動に関わっています。しかし、人工的に生成された炭素14は高濃度であれば白血病やガンなどを引き起こす可能性があります。

反対する人たちは、ALPS処理水から炭素14が除去されていないということで、反対する人たちは、ALPS処理水に含まれる炭素14の量や影響について政府や東電から正確な情報を開示してほしいと要求しています 。

3.政府や東電は市民に十分な説明をしていない

炭素14の影響を伏せるなど、情報が不透明でありALPS処理水の海洋放出に反対する人たちは、政府や東電が市民に十分な説明をしていないと感じています。

特に、炭素14の影響については、政府や東電が伏せていると疑っています。

例えば、政府は2020年10月に発表した「ALPS処理水の海洋放出に関する基本方針」の中で、炭素14の濃度や放出量について言及していませんでした 。

また、東電は2018年に発表した「ALPS処理水の海洋放出に関する安全性評価」の中で、炭素14の影響を考慮しなかったという指摘があります 。反対する人たちは、これらのことから、政府や東電が炭素14の問題を隠していると疑っています。

4.漁業者や福島県内の市町村議会、全国の市民から反対の声が上がっている

ALPS処理水の海洋放出に反対する人たちは、漁業者や福島県内の市町村議会、全国の市民からも反対の声が上がっていることを訴えています。

漁業者は、海洋放出によって漁業への風評被害が拡大し、消費者の信頼を失うことを恐れています 。

福島県内では、市町村議会の約8割が海洋放出に反対する決議や意見書を採択しています 。

全国では、市民団体やNPOなどが署名運動やデモなどを行っています 。反対する人たちは、これらの声を無視することはできないと主張しています。

5.タンクを大型のものに換えるなどすれば今すぐ海洋放出する必要はない

ALPS処理水の海洋放出に反対する人たちは、タンクを大型のものに換えるなどすれば今すぐ海洋放出する必要はないと主張しています。

政府は、敷地内のタンクは2022年末までに満杯になるとしていますが、反対する人たちは、それは現在使用しているタンクの容量で計算したものであり、タンクを大型化すれば容量は倍以上に増えると指摘しています 。

また、敷地内に空きスペースもあるという情報もあります 。反対する人たちは、タンクを増設すれば海洋放出は先送りできると主張しています。

以上が、ALPS処理水の海洋放出に反対する人たちの理由です。しかし、これらの理由は本当に正しいのでしょうか。ここでは、反対する人たちの理由に対して、科学的な根拠に基づいて反論してみます。

ALPS処理水の海洋放出に反対する5つの理由に対する科学的な反論

1.ALPS処理水に含まれるトリチウムは体内に取り込まれると危険である

トリチウムは自然界にも存在する水素の同位体であり、人体や生物に取り込まれてもすぐに排出されるため、高濃度でなければ健康被害はほとんどありません。

政府は、海洋放出を行う際には、トリチウムの規制基準を十分に満たすよう海水で希釈します。

海洋放出されたALPS処理水は、海水や大気中の水分と希釈されることで、トリチウムの濃度はさらに低下します。

国際原子力機関(IAEA)は、ALPS処理水の海洋放出は「世界中で行われている核施設からの排出と同じようなものであり、環境や人間の健康に影響を与えるレベルではない」というレビュー報告書を発表しました。

2.ALPS処理水に含まれる放射性物質はトリチウムだけではない。炭素14も除去されない

ALPS処理水ではトリチウム以外の放射性物質は規制基準値を確実に下回っていますが、それでも微量ながら他の放射性物質も含まれています。

しかし、これらの放射性物質の量や影響は非常に小さく、海洋放出によって人や環境に危険を及ぼすことはありません。

特に炭素14については、政府や東電はその濃度や放出量を公表しており、情報が不透明であるということはありません 。

炭素14の濃度は国際的な基準値を大幅に下回っており、海洋放出された場合でも人体や生物に影響を与えることはほぼないと評価されています 。

3.政府や東電は市民に十分な説明をしていない。炭素14の影響を伏せるなど、情報が不透明である

政府や東電は市民に十分な説明をしており、情報が不透明であるということはありません。

政府は2020年10月に発表した「ALPS処理水の海洋放出に関する基本方針」の中で、ALPS処理水の特性や安全性、海洋放出の方法や工程、モニタリング体制や国際的な協力などについて詳細に説明しています。

また、政府は2021年12月に「ALPS処理水海洋放出計画書」を原子力規制委員会に提出しました。

この計画書では、ALPS処理水から除去される放射性物質の種類や濃度、海洋放出の影響評価や設備の設計や運用方法等の安全性が確認されています。

4.漁業者や福島県内の市町村議会、全国の市民から反対の声が上がっている

ALPS処理水の海洋放出に反対する人たちは、漁業者や福島県内の市町村議会、全国の市民からも反対の声が上がっていることを訴えています。

漁業者は、海洋放出によって漁業への風評被害が拡大し、消費者の信頼を失うことを恐れています。福島県内では、市町村議会の約8割が海洋放出に反対する決議や意見書を採択しています。全国では、市民団体やNPOなどが署名運動やデモなどを行っています。反対する人たちは、これらの声を無視することはできないと主張しています。

しかし、これらの声は本当に正しい情報に基づいているのでしょうか。

政府や東電は、漁業者や福島県内の市町村議会、全国の市民と積極的に対話を行っており、ALPS処理水の特性や安全性、海洋放出の方法や工程、モニタリング体制や国際的な協力などについて詳細に説明しています。

また、政府は、漁業への風評被害や賠償問題についても配慮し、漁業者に対しては補償金や支援金を支給することを約束しています。

政府は、ALPS処理水の海洋放出に関する合意形成を目指しており、反対する人たちの声にも耳を傾けています。

5.タンクを大型のものに換えるなどすれば今すぐ海洋放出する必要はない

ALPS処理水の海洋放出に反対する人たちは、タンクを大型のものに換えるなどすれば今すぐ海洋放出する必要はないと主張しています。

政府は、敷地内のタンクは2022年末までに満杯になるとしていますが、反対する人たちは、それは現在使用しているタンクの容量で計算したものであり、タンクを大型化すれば容量は倍以上に増えると指摘しています。また、敷地内に空きスペースもあるという情報もあります。反対する人たちは、タンクを増設すれば海洋放出は先送りできると主張しています。

しかし、これらの主張は現実的ではありません。

タンクを大型化することは技術的にも経済的にも困難であり、敷地内に空きスペースも限られています。

また、タンクを増設することは廃炉作業や復興作業に支障をきたす可能性があります。

政府は、ALPS処理水の貯蔵容量が2022年末までに限界に達することを考慮し、海洋放出以外に現実的な処分の方法がないと判断しました。

海洋放出は安全で国際的にも認められた方法であり、福島の復興と廃炉に向けた重要なステップです。

以上が、ALPS処理水の海洋放出に反対する人たちの理由と、それに対する反論です。

しかし、これらの反論は、反対する人たちの心配や不安を完全に解消するものではありません。

政府や東電は、ALPS処理水の特性や安全性、海洋放出の方法や工程、モニタリング体制や国際的な協力などについて、市民に対してさらに詳細に説明し、信頼を得る努力を続ける必要があります。

また、私たちは、この問題について正しい情報を得て、冷静かつ客観的に判断することが大切だと思います。

また、福島の人々や産業への風評被害を防ぐためにも、支援や応援の気持ちを忘れないようにしたいですね。

買って復興応援

「復興応援したいけど遠くて行けない」という方は是非福島の特産品を買って応援お願いします。

ブログで特産品を紹介していますので是非参考にしてみてください!

買って,ふくしま
ふくしまの名物や特産品を紹介します。

ふくしまの一押し特産品「三大銘菓」_「ままどおる」


ふくしまの一押し特産品「三大銘菓」_「薄皮饅頭」


ふくしまの一押し特産品「三大銘菓」_「ゆべし」


カタログギフト

「福島県産品を知人や友人に送りたいけど何を送ったらいいか分からない」という方にはカタログギフトはいかがでしょうか?

以下より購入できますので参考にしてみてください。

コメント